みなさまのご家庭では、お子さまのスマホやタブレット、パソコンの利用に何か制限はかけていますか?
すると、母親から「もう10時過ぎているでしょ!」と叱られ、長男は「いま終わりにしようと思ってたのに!」というやり取りになります。
みなさまのご家庭でも、約束した利用制限を超えての利用で、お子さまとケンカになるのは、よく見られる風景ではないでしょうか?
スマホやゲームの利用の制限をめぐるいたちごっこ
今年2020年3月18日に、香川県で「ネット・ゲーム依存症対策条例」が可決・成立し、4月1日に施行されたことが話題になりました。
また、WHOでは、「ゲーム障害(Gaming disorder)」を定義しているようです。
ゲームの利用時間が長時間にわたったり、依存してしまうことの問題点は、初代ファミコン世代の私が小学生だったころから繰り返し指摘されてきました。
また、保護者や学校の先生は、利用時間を制限する必要性を感じることもあると思います。
そうした状況を踏まえ、デジタル端末やソフトウェアのベンダー各社でも、子どもの利用を制限する機能を実装しています。Appleユーザーであるわが家では、2018年に、iOS12にスクリーンタイムがリリースされたときに、これで「子どもとのケンカがなくなる!」と狂喜しました。
スクリーンタイムは、iPhoneやiPadを使わない時間帯や、ゲームなどの1日の利用制限時間を設定できる機能です。
しかし、わが家の長男は、スクリーンタイムの抜け道をGoogleで検索し、こっそりと使っていました。「好きなことをするためにそこまでするのか!?」と驚き、その情熱!?に免じて、それ以上の制限はしませんでした。
また、MYLABでインターンをしてくれている慶應義塾大学の学生が、面白いエピソードを語っていました。ゲーム好きだった彼ですが、ゲームの利用は1日30分に制限されていたそうです。このゲームができる30分の時間を最大限に有効活用するため、ゲームができない時間には攻略本を隅から隅まで読み込み、ゲームができる時間のための準備をしていたそうです。
「そうした経験があったから!?」かは定かではありませんが、今では学校の学業に加え、独学で競技プログラミングにチャレンジしているそうです。
デジタルデバイスを利用する量と質
わたしたちの教室MYLABは、アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボのミッチェル・レズニック教授が提唱している「創造的な学び(クリエイティブ・ラーニング)」という学習理論を参考にして、カリキュラムの作成やレッスンの運営を行っています。モノを創るプロセスで子どもたちの学びが最も深くなるという理論です。
レズニック教授の著書『ライフロング・キンダガーデン』(日経BP社)の中には、以下のようなくだりが出てきます。
子供たちがすべての時間をスクリーンでのやりとりに使うことには問題があります。でもそれは、たとえばヴァイオリンを演奏したり、本を読んだり、スポーツをしたりするのにすべての時間を使うことに問題があるのと同じことです。何かひとつのことだけに、すべての時間を使ってしまうことには問題があります。
つまり、生活のかなり長い時間を、何か一つのことだけに使うのは、ゲームに限らず、それがどんな活動であろうが問題だということですね。その上で、レズニック教授は、「創造的な時間を最大限にしようとするべきだ」と言います。
大事な点は、子供たちがどのテクノロジーを使用しているのかではなく、子供たちがそれを使って何をやっているかです。・・・親と先生たちは創造的思考や創造的表現に子供たちを関わらせるアクティビティを探していなければなりません。
ここに、わたしたちMYLABの存在意義があると考えています。
「楽しい!」からはじまる学び
MYLABでは、お子さまたちが本当に楽しむことができるカリキュラムづくりに力を注いでいます。なぜなら、それが「もっとやりたい!」というモチベーションの源泉だからです。
お子さまたちが、プログラミングという手段を使って、自分だけのアニメーションを作ったり、オリジナルのゲームを開発したりといった創造的な活動に情熱を傾けると、それが完成したときに「自分にもできた!」という自信がわいたり、ITの素晴らしさに気づいたりすることができます。
また、自分には作りたいもの・表現したいことがあるのに、それが実現できない時、自ら調べたり、人に聞いたりと、主体的に学ぶことができるようになります。そうした経験を重ねる中で、自分なりの学びのあり方を身につけることができるようになると考えています。
MYLABでは、お子さまたちが「これがつくりたい!」ということを見つけることを支援していきたいと思っています。