クリエイティブ・ラーニング型授業とは?
私たちが子どもたちに提供していきたい価値は、単なるプログラミング言語の書き方やプログラミングを通じた論理的思考教育ではなく、「モノ作りから養われる創造性と自主性の成長につながるプログラミング教育」です。
従来のプログラミング教育は、技術の習得が目標とされ、プログラミングを用いて「何を作るのか?」「どんな問題解決できるのか?」という点に重点を置いていません。
従来のプログラミング教育では、サンプルのプログラムを子どもたちが一斉に書き写し、子どもたち全員が同じものを作り上げるという方法がとれることがありました。それは、まるで算数のドリル問題のように、全員が同じ答えにたどり着ことをゴールとして行われていました。
しかし、わたしたちMYLABは、本来のプログラミング学習は、算数ではなく、美術の学習のようにあるべきだと考えています。例えば美術の授業で、絵の具の使い方を学ぶために、生徒全員がまったく同じ作品を作ることがあるでしょうか?
美術の授業において最も重視されるのは、「技術を使って何を創造するか」という点です。もちろん、美術でも筆の扱い方・絵具の溶かし方・混ぜ合わせ方など学ぶべき技術はありますが、それらは芸術作品を創造する中で獲得していきます。
同じように、プログラミングも「何かを創造していく中で技術を学んでいく」ことが重要だと私たちは考えています。自分が作りたい作品を完成させるために必要な技術をそのつど学ぶ。また、同じ技術を学んでも、それを使った作品は、一人ひとりまったくことなったものになる。それがプログラミング学習のあるべき姿だと考えています。
この学びを実現するために、私たちの提供する授業は「創造的な学びのスパイラル(クリエイティブ・ラーニング・スパイラル)」に沿って学習していきます。
これは子ども向けのプログラミングツールとして、世界でもっとも普及しているプログラミング学習ツール「Scratch」を開発した米MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボ教授のミッチェル・レズニック氏が提唱する「子どもたちの創造性と自主性を高める理想の学習プロセス」です。
クリエティブ・ラーニング・スパイラルは、「発想(Imagine)」「創作(Create)」「遊び(Play)」「共有(Share)」「振り返り(Reflect)」という要素で構成される学習プロセスです。
出典:
All I Really Need to Know (About Creative Thinking)
I Learned (By Studying How Children Learn) in Kindergarten*
Mitchel Resnick
【発想(Imagine)】
何を作るにも、まずは「こんなものが欲しい」「こんなのがあったらいいのに」「こんなものを作りたい」というように何かを「発想」しなければなりません。
MYLABのレッスンでは、子どもたちの「発想」に制限をかけません。突拍子もない発想から、革新的なものが生まれるからです。
MYLABのメンターは、子どもたちのどんな意見も取り入れ、それを伸ばしていくために対話していきます。
MYLABでは、この発想を育むために、メンター自身が日頃からものを作って子どもたちに提供し、新しい発想の足がかりにしてもらえるよう心がけています。
また、教室内にはブロックや、レゴ©マインドストーム©EV3をはじめとするロボット、micro:bitなど、子どもたちの発想の足掛かりとなり得る教材を多数取り扱っています。
また、開放的で自由な教室レイアウトとなっており、生徒同士でアイデアを出し合ったり、時には一人で休憩しながら考えたりと、他の教室にはない空間となっています。
【創作(Create)】
発想したものを、実際に創作していきます。このプロセスで大事なことは、「創作できる技術を身につけること」「かべにぶつかった時に、頼れる人・物が近くにあること」だと考えています。
MYLABでは、子どもたちの創造を助けるためのカリキュラムを開発しました。レッスンは、子どもたちが取り組むテーマを投げかけることからスタートします。遊びの要素があり、夢中で取り組むことができるように設計されたテーマです。子どもたちが夢中になって取り組む中で、その子らしい人とは異なる作品ができあがるような課題になっています。
また、創造の足場となる材料を提供し、取り組みをはじめやすくなっています。そこから先は子どもたちが自由な発想にもとづき、自分らしいゲームやロボットなどの作品を創作していきます。
メンターは、子どもたちを技術的・精神的にサポートできるよう、十分な研修を受けており、子どもたちがかべにぶつかった時もすぐに対処できるようになっています。
【遊び(Play)】
子どもたちは創作したものから、どんどんと思いのままに実験し、改造していきます。
傍から見ていると、この実験と改造のプロセスは、まるで子どもたちが遊んでいるように見えますが、この過程を通じてプログラムの知識を身につけ、表現方法を深く学んでいきます。
また、子どもたちが同じ空間で共同作業を行うことによって、他の子どもたちの作品や改造方法を見ることによって、新たな創造性や自信が生まれます。
【共有(Share)】
良い創作物ができれば、子どもたちはそれを他の人に「見せたい!」という、気持ちが自然と芽生えてきます。
自分がどのようなプログラムを作成したか、どのようなところを工夫したのかを他の人に伝えることで、自分の中で整理することができます。また、他の人の意見を聞くことによって、新たな気づきを得たり、次回作へつながる発想を得ることができます。
MYLABでは、毎レッスンの創作の後に、「共有の時間」を設けています。この共有の時間では、ただ自分の作品を発表するのではなく、「どんなところを工夫したのか」「プログラムはどのようなものを使ったのか」を発表することで、プログラミングに対する理解を深められるようにしています。
【振り返り(Reflect)】
共有後は、自分の創作の振り返りを行います。共有で得られた、他の人の意見や自分が思ったことを深めることで、次回の「創作」のアイデアや技術的な理解を深めていきます。
MYLABでは、共有後に「振り返り時間」を設けています。この振り返り時間では、「今回の創作から何を学んだのか?」「次の創作に活かせることは何か?」ということを重点において振り返りを行っています。
このようにMYLABでは「創造的な学びのスパイラル」に沿ったカリキュラム・レッスンを展開して、子どもたちの「創造性と自主性」を育んでいきます。
クリエイティブラーニングを通じた子どもたちが楽しめる授業
私たちのカリキュラムへの想いは、子どもたちが「本当に楽しいと思える学びを作ること」です。
実際に学ぶ本人の子どもたちは、プログラミングが必修化になるから学びたい!と思っているわけではなく、将来AIの発展により、ITに強くなっておかないと良い仕事に就けない!と思うから学ぶのではなく、純粋に、「プログラミングを通したモノづくり」が「楽しい!」と思うから意欲的に学び、チャレンジし、成長していくと私たちは、考えております。
そのために、私たちは「創造的な学びのスパイラル」に沿い、子どもたちの自由な発想を支え、育てていく授業を展開しています。