宮島衣瑛コラム

宮島衣瑛第8回「クリエイティブラーニングと学校教育の向き合い方」

クリエイティブ・ラーニングと学校教育のちがい

「クリエイティブ・ラーニング」と学校教育は、同じ「教育」とはいえ大きな違いがあります。学校教育ですと、やらないといけないことが決まっているが故に、授業の中で、生徒自身が試行錯誤する余白が少ないということがあります。

これは、学校を批判しているのではなく、制度としてそうなっているという話です。日本の学校教育制度はとても有効に機能していて、だからこそ日本はとても高品質な教育水準を保っています。一方で、それによって失われているものがあるということです。

子どもにとっての学びの場は、学校だけではありません。また、学校でできることには限りがあります。それは学校側もわかっているはずですし、社会側もわかっているはずです。

本来であれば、学校では最低限ここまではやるべきだけれども、これ以上の水準は学校で担う必要はないという分担があるべきと思います。しかし、ときどき、学校にすべてが求められるということがあります。

プログラミングはその良い例です。プログラミングをすごく好きな子ども達が、もっともっとやりたいと思った時に、学校の授業だけでは満足できないと思います。

そういう子どもたちのために、MYLABのような民間の教室があるのだと思います。学校と民間の教室は競合というわけではなく、お互いが補い合う関係にあると良いのだろうと思います。

クリエイティブ・ラーニングの良さは「圧倒的に能動的な学び」

私が一貫してお伝えしているのは、「プログラミング教育を通して、自分で何かを創ることに前向きに取り組んで、それを楽しめるようになってほしい」ということです。

そう考えたときに、それにぴったりだったのが、クリエイティブ・ラーニングの考え方です。私自身が、クリエイティブ・ラーニングの思想のもとで育てられたこともありますし、周りにいた友人も「創ることの楽しさ」というのを享受している人が多いので、もっと多くの子どもたちにクリエイティブ・ラーニングのような学びのあり方を知ってほしいと思っています。

クリエイティブ・ラーニング理論の提唱者であるレズニック教授が語っていますが、クリエイティブ・ラーニングの良いところは、「自分で考えられる」ということです。

「学び」というのは、自分がいないと進んでいかないという性質のものです。例えば、資格の勉強をするとなったときに、 「仕事でこの資格必要だからとる」のと、「自分で好きなものの延長で資格をとる」のとでは、状況が異なります。

たとえば、私は小学校2年生から3年生のときに、「歴史能力検定」の5級と4級を取得しました。それは、ただただ歴史が好きだったからです。4級は中学生程度の知識がもとめられるのですが、勉強することが苦ではありませんでした。

「勉強とは新しい知識をひたすらに覚えることで、それはつらくて苦しいことだ」という印象があると思いますが、それを越えられるのがクリエイティブ・ラーニングなのだろうと思っています。自ら学びたい、もっと言えば学ぶことすら意識せずに学ぶことができるようになるのです。

作品を作っていると、どうしても壁にぶつかります。その壁を乗り越えるためには、新しい知識を得る必要があるから、自ら学ぼうと思います。そういう、「圧倒的に能動的な学び」の根幹に、「ものを創る」ことがあるのだろうと思います。

レズニック教授率いるMITのライフロング・キンダーガーデンチームは、手を動かしてものを創るということに大変なこだわりを思っていますが、私個人としては、「ものを創る」というのは、必ずしも手を動かして作品を作るということだけではないのではと考えています。

ただし、プロジェクトを持てるかどうか最初のハードルとなります。学校で、クリエイティブ・ラーニングをやりましょうという話になったときに、すべての単元でそれを実践するのとても難しいことですし、現状から移行するというのは難易度が高いものです。

まずは、「アクティブ・ラーニング」的な解釈で、子どもたちみんながプロジェクトをもって学んでいくのが良いのではないかと考えています。

監修者としてみたMYLABの魅力

MYLABは、ものを創ることにこだわりをもった教室です。子どもたちが、自分で何かをつくるということが、圧倒的な強みだと考えています。加えて、スタッフ全員がその意識を共有して取り組んでいるというのも、とても魅力的な教室です。

教育は、見様見真似でやることもできます。しかし、MYLABの全スタッフは、レズニック教授の著書である『ライフロング・キンダーガーテン』(日経BP)から理論的な裏付けを学んでいますし、実際に子どもたちへのレッスンを通した実践と改善を繰り返しています。それが、MYLABの強みなのだと思います。

子どもたちのレッスンで起きたことに対して、「そういうものだよね」と放置するのではなくて、理論的な裏付けにも気を配りながら、改善し続けているのは、MYLABが他のプログラミング教育と一線を画しているところだと思います。

MYLABは、プログラミングを通して何かを学んだり、プログラミングを通して自分がやりたいことを見つけることを後押しする場です。子どもたちは、自分で何かを作ることができるようになると、「自分も意外とできるんだ!」ということに気づいて、自己肯定感が高まります。そうしたことを育む場であり続けたいと思います。

また、他者と比較された客観的な評価(Evaluation)をあまりしていないということも特徴ではないでしょうか。まずは自分という軸があって、「どれだけ自分が頑張ったのか?」「前回自分が創ったものをこえられたのか?」といったのがMYLABにおける評価のあり方ですが、これも魅力の一つです。

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