コラム

2020年度より、小学校でプログラミング学習が必修化~学校では子どもたちはどんなことを学んでいるのか?〜

2020年度から、小学校においてプログラミングの学習が必修化されたことは、いろいろなところで報道されていますので、ご存知の方も多いかと思います。しかし、「学校ではどんなことを学ぶのか?」についてまでは詳しく報道されないため、よく保護者の皆様から質問を受けることがあります。今日は、そんな保護者の皆様に、情報をご提供できればと思います。

学習指導要領におけるプログラミングの扱い

「学習指導要領」という言葉を聞かれたことがある方も多いと思います。学習指導要領は、文部科学省が作成していますので、まずは学習指導要領が何なのか見てみましょう。文部科学省のホームページによると、以下のように書かれています。

全国のどの地域で教育を受けても、一定の水準の教育を受けられるようにするため、文部科学省では、学校教育法等に基づき、各学校で教育課程(カリキュラム)を編成する際の基準を定めています。これを「学習指導要領」といいます。

 「学習指導要領」では、小学校、中学校、高等学校等ごとに、それぞれの教科等 の目標や大まかな教育内容を定めています。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/1304372.htm

「学習指導要領」とは、全国どこの学校でも一定の水準が保てるよう、文部科学省が定めている教育課程(カリキュラム)の基準です。およそ10年に1度、改訂しています。

子供たちの教科書や時間割は、これを基に作られています。

https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/idea/index.htm

つまり、学習指導要領はお子さまたちが学ぶ目的や内容を定めているものです。プログラミングに関しても、指導要領をみれば、学校における学習の目標や大まかな教育内容がわかるはずです。学習指導要領にはいろいろなことが書かれていますが、プログラミング学習について以下のような表現が記載されています。

プログラミングを体験しながら論理的思考力を身に付けるための学習活動を行う場合には、児童の負担に配慮しつつ、例えば第2の各学年の内容の〔第5学年〕の「B図形」の?における正多角形の作図を行う学習に関連して、正確な繰り返し作業を行う必要があり、更に一部を変えることでいろいろな正多角形を同様に考えることができる場面などで取り扱うこと。

https://www.mext.go.jp/content/1413522_001.pdf

読み解いてみると、プログラミングを学ぶ目的がいくつかあって、その中には論理的思考力を身につけることを目的とする場合がありそうです。その中で、小学校5年生では、算数の時間に正多角形の作図をやる時に、プログラミングを使うことがあるようです。

杉並区立西田小学校におけるプログラミングを使った正多角形の作図の授業例

現在、小学校で行われるプログラミングの授業の事例を公開している方たちがいて、誰でも見ることができます。例えば、総務省・文部科学省・経済産業省が連携してつくった「未来の学びコンソーシアム」は、「小学校を中心としてプログラミング教育ポータル」というWebサイトを公開しています。

小学校を中心としてプログラミング教育ポータル

https://miraino-manabi.jp/

このサイトに、ちょうど正多角形の作図の授業の事例があるので、見てみましょう。東京都杉並区立西田小学校の事例です。

正多角形をプログラムを使ってかこう(杉並区立西田小学校)

https://miraino-manabi.jp/content/111

正多角形は、すべての辺の長さと角の大きさが等しい多角形です。ということは、一定の距離進んだ後、一定の角度だけ方向を変えるということを繰り返すと、その軌跡に正多角形が描かれるはずです。

西田小学校の事例では、外角に注目しながら正多角形の特徴をお子さまたちが見出すことができるように導き、最終的にはScratchで正多角形を描くプログラムを作るという授業の構成になっています。

https://miraino-manabi.jp/content/111

このように、コンピュータを使って正多角形を学ぶアイデアは、アメリカの数学者・計算機科学者・発達心理学者のシーモア・パパートにさかのぼります。パパートは、子どもたちが問題をよりよく考えたり解いたりできるツールを作るため、プログラミング言語LOGOを開発しました。「LOGOタートル」という小型ロボットを使って、お子さまたちがプログラミングを使って学ぶことをできるようにしました。

https://el.media.mit.edu/logo-foundation/what_is_logo/logo_primer.html

このパパートの流れをくむのが、MIT(マサチューセッツ工科大学)のメディアラボ、ライフロング・キンダガーデンです。実は、ライフロング・キンダガーデンが作ったのがScratchです。Scratchは、コンピューターを使って、創造的な学びを実現できることを目的として設計されています。

例えば、正多角形がすべての辺の長さと角の大きさが等しいという性質を使うと、Scratchで下の図のように正多角形を描くことができます。

https://scratch.mit.edu/projects/365791664/

MYLABにおけるプログラミング学習

クリエイティブ・ラーニングをベースにした学びをご提供しているMYLABでは、お子さまたちが情熱をもって自分が作りたい作品を作ることを重視しているので、ここまで述べてきたような方法で数学を直接的に教えることはありません。

しかし、数学や物理学の概念が必要になり、その時に数学や物理学の学びをサポートすることがあります。

たとえば、シューティングゲームを作る時に、ゆらゆらと動く敵の飛行機を作りたくなったとしましょう。多くの場合、曲線的な動きをするものは、三角関数を使って表現します。

また、アクションゲームを作っていて、ジャンプした時に、同じ速度で上昇し、同じ速度で下降してくると不自然な動きに見えます。このとき、重力加速度の概念を反映すると、自然なジャンプに見えるようになります。

 

お子さまたちが、そうしたものを作りたいという情熱をお持ちになった時、わたしたちMYLABスタッフは、それを実現することをサポートをさせていただきます。

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