2020年4月からプログラミングの必修化が決まりました。そんな中、今まで以上に注目を集めている子ども向けプログラミング学習環境/言語である「スクラッチ(Scratch)」。
お子さまのプログラミング教育を支援してあげたいが、プログラミングはあまりよくわからない、そんな保護者さまに向けて「スクラッチってなに?」「どうして教育現場でよく使われるの?」「どんなことができるの?」といった疑問に、プログラミング教室の立場からお答えします!
スクラッチ(Scratch)ってなに?
スクラッチ(Scratch)は、プログラミング言語、またはそのサイトのことです。
アメリカのマサチューセッツ工科大学(MIT)メディアラボという研究所のライフロングキンダーガーテン(生涯幼稚園)グループが開発しました。
子ども向けに設計されていて、世界中の教育機関に利用されています。63の言語に対応しており(2020年10月9日現在)、日本語を選択る際も「日本語」と「にほんご」の二種類から選ぶことができます。
プログラミング必修化などに伴い、プログラミング教育の注目度はますます高まっています。そんな中で、子どもにとって理想的なプログラミング教材としてスクラッチは注目されています。
どうして教育現場で使われるの?特徴を解説!
スクラッチは国や形態を問わず、様々なプログラミング教育現場で活躍しています。ここからは、スクラッチの特徴を「なぜ様々な教育現場で使用されるのか」という観点から解説します!
とにかくはじめやすい!
一般的なプログラミング言語は、アプリケーション等をインストールし、コードを動かすための設定(環境構築)を行う必要がありますが、スクラッチはWebブラウザ(Google ChromeやMicrosoft Edge, Safari)だけがあれば使用することができます。つまり、インターネットにつながったパソコンがあれば誰でもすぐに始めることができるのです!パソコンに慣れていないお子さまにとてもやさしい設計になっていますね!

また、Scratchは完全無料なうえに、メールアドレスがなくても使用できます(※1)。
メールアドレスを持っていなくても使用できるのは、お子さまにとてもフレンドリーですね!
※1作品を保存したり、他者の作品をリミックス(コピーして編集すること)したりなど、一部機能が制限されます。
操作が直観的!
スクラッチではコードをかく必要がありません。ブロックをつなぎ合わせることでプログラムしていきます。

ブロックプログラミング、またはビジュアルプログラミングと呼ばれるこの方法は、プログラミング教育の一番の障壁であるタイピングを必要としないため、お子さまのプログラミング学習に最適です!
また、日本語や英語などの言語にも文法があるように、プログラミング言語にも文法が存在します。さらに、文字ベースのプログラミング言語では1文字でも間違えるとエラーになってしまいます。しかしブロックの場合はエラーが表示されることはないので、Scratchは子どもにとって挫折しにくい言語です!
高度な作品も作れる!
これまで解説させていただいた通り、スクラッチはお子さまにとって理想的なプログラミング言語です。
この「簡単さ」がゆえに、「どうせこどもだましなんでしょ」と思われる保護者の方もいらっしゃるかもしれません。実際にプロのエンジニアの方々の中にもそのようなことをおっしゃる方もいらっしゃいます。
たしかに、文字ベースのプログラミング言語と比較すると見劣りするかもしれません。しかし、座標や変数などの概念、条件分岐、ループ、リストなどプログラミングの基礎的な機能はしっかりと備えられているため、かなり高度な作品を作ることもできます!
スクラッチのコミュニティを見ると、大手ゲーム制作会社のゲームをオマージュした作品やレトロゲームなど、素晴らしいクオリティの作品もたくさんあり、Scratchの奥の深さを感じることができます!

とても再現度が高い。
世界中に発信できる!
プログラミングに限らず、自分でなにか作品をつくったら誰かに見せたくなりますよね。
スクラッチはプログラミング言語であると当時に、プログラミング学習コミュニティでもあります。作った作品は、ボタン一つで世界中に公開することができます!
アイデアに富んでいたり、今までにないようなものをつくったりすると、世界中から反響が届きます。お子さまにとって、熱意をもってつくった作品が世界中から評価されることほどうれしいことはないのではないでしょうか!

完成度が非常に高く、クリエイティビティに富んだものが多い。
まとめ
いかがだったでしょうか。
- はじめやすい
- 操作が直感的
- 高度な作品もつくれる
- 世界中に発信できる
これらの特徴が要因となって、スクラッチは日本だけでなく、世界中の教育現場で導入されているのですね!