中学生がプログラミングを学んでみようと思ったとき、「どんな言語を選べばよいのか?」「ゲームを作る? アプリを作る? それとも、Webサイトを作る?」など、迷うことがあると思います。
中学生といっても、小学生の時にScratchをやっていた方も、これからはじめてプログラミングを行うという方もいると思います。
この記事では、中学生がどんなふうにプログラミングを学んでいけばよいのか、学び方を選ぶときにどんなことに気をつけなければいけないのかについて、解説していきます。
結論を先にお伝えすると、以下の学び方がおすすめです。
- プログラミングがはじめての方におすすめなのはScratch
- Scratchはやったことがあって自信がある方におすすめなのはUnity
- 「レゴブロックが好きだった」「プログラミング以外(科学など)にも興味がある」ならロボコンにチャレンジ
上記がおすすめな理由は、記事の中で詳しく説明していきますので、この記事を読み終えたら「自分にはこの方法がいい!」と自信を持って学びはじめることができるはずです。
目次
プログラミングの学び方を選ぶときの基本的な考え方
まずはじめに、プログラミングの学び方を選ぶときの基本的な考え方についてお伝えします。ポイントは以下の4つです。
- 目的なくプログラミングの文法を学ぶことはやめよう
- 自分が「好き」「楽しい」と思えるものを作ることからはじめる
- 何をしていいかわからない人はゲームを作ってみよう
- 無料で、簡単にはじめられるものからスタートする
目的なくプログラミングの文法を学ぶことはやめよう
「プログラミングを学ぼう!」と思ったときに、言語を選択して、その基本的な文法を学ぶのはおすすめできません。例えば、以下のようなことから学びはじめることです。
print(‘hello world’)
この学び方がおすすめできないのは、プログラミングを学ぶこと自体が目的となってしまっているからです。
プログラミングを学ぶのは、アプリを作ったり、ゲームを作ったり、Webサイトを作ったりするためです。しかし、プログラミングの文法だけを学んでも、なかなかアプリやゲーム、Webサイトを作ることができるようにはなりません。
せっかくプログラミングを学ぶのであれば、最初からアプリやゲームやWebサイトが完成するような学び方をするのがおすすめです。
自分が「好き」「楽しい」と思えるものを作ることからはじめる
プログラミングを学びはじめるときに、アプリやゲームの開発でも、Webサイトの制作でも、何からはじめてもよいと思います。
重要なのは、人から勧められるものではなく、自分が楽しいと思えるものからスタートすることです。
プログラミングの学習を進めていくと、「難しいな」ということにぶつかったり、挫折してしまいそうになることが必ず起こります。
そうしたときに、「楽しい!」という気持ちがあると、その「難しい」や「心が折れそう」ということを乗り越えやすくなります。
ゲームが好きならゲーム制作、なにか好きなことがあってそれを表現したいならWebサイト制作など、自分が好きなこと、楽しいことからはじめるのがおすすめです。
何をしていいかわからない人はゲームを作ってみよう
自分の「好きなもの」「楽しいこと」からはじめましょうと言われても、それが見つからないという人もいると思います。
そうした方におすすめなのは、ゲームを作ることです。

ゲームで遊ぶことが好きな人は多いと思います。その好きなゲームを自分で作ることができたら、楽しいと思いませんか?
プログラミングをはじめて学びはじめる人にとって、アプリやWebサイトの制作よりも、ゲームづくりは圧倒的に入りやすく、楽しさを感じやすいと思います。
また、自分が作ったゲームを友だちや家族に遊んでもらうこともできます。「このゲーム面白いね!」「ゲームが作れるなんてすごいね! どうやって作ったの?」などと言われることで、次の制作の意欲がわいてくることもあります。
何をしたらよいかわからないという人は、まずはゲームづくりからはじめてみましょう!
無料で、簡単にはじめられるものからスタートする
プログラミングをはじめるときに最初に挫折するのは、プログラミングをするための環境を準備することです。初心者の方がプログラミングをするための環境が準備できずにあきめてしまうということも、めずらしくありません。
まずは、簡単にはじめられるものからスタートしましょう!
また、有料のツールを使う方法もありますが、自分に合うかどうかわからないので、まずはお金がかからない方法でやってみることをおすすめします。
ここから、上に記した4つの条件を満たす具体的な方法を見ていきましょう!
プログラミングがはじめての人におすすめ! Scratchでゲームを作る
プログラミングがはじめてという方におすすめなのは、Scratchでゲームを作ることです。では、Scratchについて説明していきます。
Scratchとは?
Scratchは、世界で最もよく使われている、教育用のプログラミング学習プラットフォームです。誰でも無料で使うことができます。
使用するプログラミング言語はScratchオリジナルのビジュアル言語です。用意されたプログラミングの材料となるブロックを組み合わせることでプログラムできるので、文字の入力は最低限のみですみます。

Scratchの特徴
Scratchの特徴として、以下のようものがあります。
- 必要なのはインターネットにつながるパソコンだけ! アカウントを作って5分ですぐはじめられる。
- ビジュアル言語なので、はじめての人でも動くゲームをすぐ作ることができる
- ゲーム開発の基本的な考え方が自然と身につき、Unityなどより高度なプログラミングの基礎を学ぶことができる
- ユーザーが多く、情報も多いので、困ったときに解決方法を見つけやすい
Scratchでプログラミングするとき、インターネットにつながるパソコンがあれば、それ以外に用意するものはありません。Scratchのサイトにアクセスし、アカウントを作成すれば、5分ほどでプログラミングをはじめることができます。
また、ブロックをつなげてプログラミングを行うビジュアル言語なので、プログラミングの文法やスペルのミスによってプログラムが動かないということないので、はじめての方にとっては扱いやすいものになっています。
さらに、たくさんの国の言語が用意されていて、もちろん日本語版Scratchもあるので、直感的に扱いやすくなっています。
こうした扱いやすいというメリットがありつつ、本格的なプログラミングの基礎が身につくのもScratchの特徴です。Scratchで基礎を学んでおくと、Unityなど次のステップに進むときに、とても役にたちます。
このBlogでは、Scratchについて紹介している記事があるので、ぜひ合わせてご覧ください。
【スクラッチでプログラミングをはじめよう!】アカウントを登録する
Scratch(スクラッチ)で作られた魅力的で面白い作品たち ~その①~「テトリス」「スーパーマリオ」他
Scratch(スクラッチ)で作られた魅力的で面白い作品たち ~その②~「ファミスタ」「グラディウス」他
Scratch(スクラッチ)で作られた魅力的で面白い作品たち ~その③~スポーツゲーム「エアホッケー」「100m走」ほか
Scratchではじめてつくるゲーム
このblogには、「プログラミングがはじめて」という方向けに、はじめてでもできる簡単なゲームの作り方を解説した記事があります。
中学生には少し簡単かもしれませんが、まずはScratchがどんなものが知るために、3つのうちのどれか一つ作ってみてください。
Scratchを学ぶときにおすすめの本
Scratchがどんなものかわかったら、下の本で本格的なゲームを作ってみてください。
『Scratchではじめよう! プログラミング入門 Scratch 3.0版』
杉浦 学 (著), 阿部 和広 (監修)
¥2,090(税込)
この本は、シューティングゲームを作りながら、Scratchを学んでいく内容になっています。この本の良いところは、Scratchの使い方やプログラミングの基礎も扱いながら、Scratchでできることがたくさん盛り込まれている点です。1冊読みながらシューティングゲームが完成する頃には、かなりレベルアップしているはずです。
Scratchをやったことがあってそれなりに自信がある方におすすめなのはUnity
小学生時代にScratchを結構やったことがあって自信がある、もしくは、タイピングと英語に自信があるという人は、Unityがおすすめです。
Unityとは?
Unityは、プロのゲーム開発者の方も利用するゲーム開発エンジンです。世界で開発されるモバイルゲームの50%以上がUnityで作られていると言われています。

いくつかの条件がありますが、個人で利用する分には無料で使うことができる点も、Unityはがおすすめな理由です。
Scratchとはちがい、テキストのプログラミング言語(C#)を使用しますので、ある程度タイピングや英語が理解できることが望ましいです。

Scratchをやっていた人にUnityがおすすめな理由
ビジュアル言語とテキスト言語という違いや、2Dしか作れないScratchに対してUnityでは3Dのゲームを作ることができるなど、ScratchとUnityでは異なる点もあります。
しかし、Scratchでのゲームの作り方を理解できている人がUnityをはじめてみると、共通点がたくさんあることに気づくと思います。
例えば、「矢印キーを押したらキャラクターが動く」「キャラクター同士がぶつかったときの処理をプログラムする」など、ゲーム作りの基本的な考え方は、ScratchでもUnityでも全く同じであることに気づくと思います。
このような理由から、Scratchに自信がある人は、多少タイピングが遅くても、英語が苦手でも、Unityを使ったゲームを作りを比較的スムーズにはじめることができるはずです。
Unityを使ってはじめてつくるゲーム
このblogでは、「Unityがはじめて」という方向けに、Unityのインストール方法から、Unityで簡単なゲームの作り方を解説した記事があります。
Unityをダウンロード・インストールして、今すぐゲーム作りを始めよう!
【中学生・高校生のためのUnityプログラミング入門】3Dゲームの作り方(1)迷路のコースをつくる
一つゲームを作ってみると、Unityがそれほど難しいものではなく、3Dゲームが意外と簡単に作れることがわかるでしょう。
Unityを学ぶ上でおすすめの本
Unityを学ぶときに、中学生がまず最初に読む本としては、下記の本がおすすめです。
Unityの教科書 Unity 2021完全対応版 2D&3Dスマートフォンゲーム入門講座
北村 愛実 (著)
¥2,970(税込)
この本がおすすめな理由は以下のとおりです。
- たくさんのゲームを作りながらUnityの使い方を理解することができる
- iPhoneやAndroid携帯で動くアプリを作ることができる
- ゲームづくりのプロセスがきちんと整理されている
- プログラムの説明が丁寧で、わかりやすい
この本では、2Dと3Dのゲーム合わせて、6つのゲームの作り方が解説されています。やさしい順番にならんいでいて、Unityでよく使う機能やプログラムが順番に学ぶことができる構成になっているので、読み終わるころには、Unityの基本が身につきます。
また、自分が持っているiPhoneやAndroid携帯で動くゲームの作り方が載っています。自分が作ったゲームが、自分の携帯で動くことに、感動するはずです! 友だちや家族に見せたら、きっと驚くはずです。
また、プログラムの本は、著者によってプログラムの仕方や作品の作り方に癖があります。この本では、ゲームの作り方の基本的な考え方がよく整理されており、今後、ゲーム・プログラミングの学習をすすめる上でとても役に立ちます。
また、プログラムの内容の説明がとても丁寧で、はじめての人でもわかりやすくなっています。
「レゴブロックが好きだった」「プログラミング以外(科学など)にも興味がある」ならロボコンにチャレンジ
最後にご紹介するのは、ロボコンにチャレンジする方法です。中でもおすすめなのは、FIRST LEGO League(以下「FLL」)という大会です。
FLLは、国内予選・全国大会を勝ち抜くと、世界大会までつながる大きな大会です。ロボットに加え、調査研究のプレゼンテーションなどもあります。
FLLの詳細については、以下の記事をご覧ください。
レゴブロックで遊ぶのが好きだった、理科の実験など科学が好き、という方にはとてもおすすめなプログラミングの学び方です。
ロボコンに出るのは費用がかかる
FLLに出場するのは、ScratchやUnityと同じようにとてもおすすめの方法ですが、違いとして、費用かかることがあげられます。
個人で出場することもができますが、チームを作ったり、出場の申込みをしたり、練習場を確保する必要があるなど、準備が大変なので、教室などに通わないと、現実的にはなかなか出場が難しいと思います。
FLLがおすすめな理由
- 本格的なロボットづくりを通してプログラミングを学ぶことができる
- 科学的な調査研究もいっしょに楽しむことができる
- チームの仲間と一緒に楽しく学ぶことができる
FLLのロボット競技では、2分30秒で約15種類のミッションをクリアする必要があります。そのためには、モーターやセンサーを駆使したプログラミングが必要になります。
また、戦略立ててロボットを作ったり、難しいミッションをクリアするためにロボット作りを工夫していくことは、好きな人はハマること間違いなしです!
また、ロボットづくりだけではなく、自分たちで決めたテーマの課題解決を行っていきます。理科の実験などの科学的な活動が好きな人には、とても楽しい活動です。
FLLは、1人では参加できず、最低でも2人以上のチームで出場する必要があります。個人的な活動になりがちなプログラミングの学習が、チームの仲間と一緒に学ぶことで、楽しさが何倍にもなるはずです。
このblogでは、FLLの詳細について解説した記事がありますがので、ぜひご覧ください!
MYLABのプログラミングレッスン
MYLABでは、Scratch、Unity、FLLにチャレンジするコースがあります。
「ご自宅で一人でやってみたがうまく行かなかった!」「人に教えてもらってはやくできるようになりたい!」という方は、ぜひ以下のページをご覧ください。
体験会は無料ですので、興味を持った方は、ぜひ一度教室まで体験にお越しください!